概 要
攪拌翼を有する掘削攪拌装置を用いて、水セメント比450%の掘削液を注入しながらオーガーモーターを正回転・逆回転および掘削攪拌装置を上下反復して、所定深度までソイルセメント状の掘削孔を造成します。
さらに、杭定着支持層にミラセピア(繊維質鉱物の粉末)を混入した根固め液(水セメント比60%)を注入しながら支持層中の砂・礫と混合攪拌を行って根固め球根部を築造した後、必要に応じて水セメント比300%の杭周固定液を噴出しながら掘削攪拌装置を引き上げます。
その後、回転キャップにセットした杭を掘削孔へ建て込み、杭自重および回転埋設によって根固め球根部に定着させ、杭と支持層の一体化を図る工法です。
特 徴
■根固め部の築造が確実 根固め部径のオーガービットを使用しますので、根固め部で拡翼して掘削する必要が無く、根固め部の築造が確実です。
■スラリーにはミラセピアを混入 根固め液に繊維質鉱物のミラセピアを混入することで溶液の粘性が増し、逸液防止、強度安定を図ります。
■掘削作業がスムーズ 掘削中にロッドの正回転、逆回転、上下反復は自由に出来ますので、掘削孔内を十分に混合攪拌出来ます。
■ベントナイトは不使用 ベントナイトを使用しませんので残土処理が容易です。
■雇いぐい(ヤットコ施工)が何mでも可能 ヤットコロッドを延長すれば、ヤットコ施工は何mでも可能です。使用くいの無駄を省きます。
■低振動・低騒音工法 打撃装置がありませんので、低振動・低騒音で作業出来ます。
■支持力性能の向上 杭先端部の外径が本体部より5cm~10cm程度太くなったST杭(拡底杭)を用いた場合、杭の先端支持がより大きく確保できます。
■より経済的に より大きな支持力が得られることにより杭本数を減らし経済的な設計が可能となります。上杭にはPHC杭の他、PRC杭やSC杭等も使用でき、荷重に見合った杭種の選択が可能です。基礎ごとの荷重に応じて、BESTEX工法(ストレート杭)との併用も可能です。
■ネガティブ・フリクション対策 ネガティブ・フリクション(負の摩擦力)の作用する地盤においてもSL杭を使用すれば杭本体部が細径になるので有利な設計が可能です。
適合条件
適用する地盤の種類
■基礎杭の先端付近の地盤の種類:砂質地盤、礫質地盤
■杭径:φ300mm~φ800mm
最大施工深さ
①BESTEX工法 40m(先端地盤・砂質地盤および礫質地盤)
②ST-BESTEX工法 50m(先端地盤・砂質地盤) 60m(先端地盤・礫質地盤)
施工順序
地盤の許容
支持力計算式
ここで、(i)、(ii)式において、
α: | 杭先端支持力係数 α=250 L ≦90D α=250-10/4・(L/D-90) 90DL≦110D ただしDは杭本体部の杭径(m) |
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β: | 砂質地盤における杭周面摩擦係数 ①杭周固定液を使用する場合 β=2.0 ②杭周固定液を使用しない場合 β=15.0を満たすβ |
γ: | 粘土地盤における杭周面摩擦係数 ①杭周固定液を使用する場合 γ=0.5 ②杭周固定液を使用しない場合 γ qu=15.0を満たすγ |
N: | 基礎杭先端より下方に1D、上方に4D間の地盤の標準貫入試験による打撃回数の平均値(回) ただし、個々のN値の上限は100とし、Nが60を超える場合は60とする。 |
Ap: | 基礎杭の有効断面積(m2) Ap=π・D²/4 |
Ns: | 砂質地盤の標準貫入試験による打撃回数の平均値(回) ただし、25を超える場合は25とする。 |
Ls: | 基礎杭周囲の地盤のうち、砂質地盤に接する有効長さの合計(m) |
qu: | 基礎杭周囲の地盤のうち、粘土質地盤の一軸圧縮強度の平均値(kN/m2) ただし、100(kN/m2)を超える場合は100(kN/m2)とする。 |
Lc: | 基礎杭周囲の地盤のうち、粘土質地盤に接する有効長さの合計(m) |
Ψ: | 基礎杭周囲の有効長さ(m) ただし、Ψ=π・D ただし、ST杭の拡径部においては拡径部の周長とする。 |