概 要
ハイエフビー(HiFB)工法は、プレボーリング系根固め 工法の一種の埋込み杭工法です。 掘削は、掘削攪拌装置により、まず施工地盤内に掘削液を 注入しながら所定深度まで掘削攪拌された掘削孔を造成します。 さらに所定深度(支持層付近)において、根固め液を注入して 掘削底部に根固め球根を築造します。そして掘削攪拌装置を 引き上げながら杭周固定液を注入・攪拌して、地盤内にソイル セメント状の掘削孔を築造します。 その後、杭の設置は、既成杭(杭頭及び先端部に金具取り付け の先端開放杭)を築造された掘削孔内に自沈又は回転により 埋設して、所定深度の根固め球根部に杭先端を設置する 高支持力工法です
特 徴
■大きな周面摩擦力 周面摩擦力係数はHBM工法同様、旧認定工法から砂質土層(β)で3.1倍、粘性土層(γ)で1.6倍にUPしています。
■先端粘土質地盤への対応 先端地盤は砂質地盤、礫質地盤に加えて、粘土質地盤にも適用することができます。
■安価な設計 大きな周面摩擦力により、杭長が約30m以上の場合、本工法で対応可能となる場合があり、他の高支持力工法と比較して安価な設計が可能となります。
■特殊形状の杭を使用しない 基礎杭先端に特殊形状の杭を使用しないため、すべての種類の既製コンクリート杭を使用できます。杭を使用すれば杭本体部が細径になるので有利な設計が可能です。
適用範囲
適用する地盤の種類
■基礎杭の先端付近の地盤の種類:砂質地盤、礫質地盤、粘土質地盤
最大施工深さ
63m(先端地盤・砂質地盤) 66m(先端地盤・礫質地盤) 53m(先端地盤・粘土質地盤)
施工順序
地盤の許容
支持力計算式
ここで、(i)、(ii)式において、
α: | 杭先端支持力係数 先端地盤:砂質地盤および礫質地盤の場合 α=340 先端地盤:粘土質地盤の場合 α=350×0.90=315 |
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β: | 砂質地盤における杭周面摩擦係数 β=36.2 とする。 |
γ: | 粘土地盤における杭周面摩擦係数 γ=0.8とする。 |
N: | 基礎杭先端より下方に1D、上方に1D間の地盤の標準貫入試験による打撃回数の平均値(回) ただし、60を超える場合は60とする。 |
Ap: | 基礎杭の有効断面積(㎡) Ap=π・D²/4 |
Ns: | 基礎杭周囲の地盤のうち、砂質地盤の標準貫入試験による打撃 回数の平均値(回) ただし、30を超える場合は30とする。 |
Ls: | 基礎杭周囲の地盤のうち、砂質地盤に接する有効長さの合計(m) |
qu: | 基礎杭周囲の地盤のうち、粘土質地盤の一軸圧縮強度の平均値 (kN/㎡) |
Lc: | 基礎杭周囲の地盤のうち、粘土質地盤に接する有効長さの合計 (m) |
Ψ: | 基礎杭周囲の有効長さ(m) ただし、Ψ=π・D Eタイプ杭を使用する場合も軸径Dで杭周面摩擦力を算定する。 なお、先端部区間(2D)については杭周面摩擦力を考慮しない。 |